因数分解が苦手な人がテストでミスを減らすには?
今回は、因数分解が苦手な人がやりがちなミスを取り上げます。
まず、この問題あなたは解けますか?
$$4x^2-36y^2$$
解けましたか?
解けましたね?
$$(2x+6y)(2x-6y)$$
になりましたか?
なった人はこのサイトを見て良かったですね!
正解は、
$$4(x+3y)(x-3y)$$
です!
共通因数でくくることを忘れている
因数分解の大鉄則は”共通因数があったら必ずくくる”です!
大切なのでもう一度言います。
因数分解の大鉄則は”共通因数があったら必ずくくる”です!
なので、$$4x^2-36y^2$$は$$4$$が共通因数なので、乗法公式を使う前に$$4$$でくくりださなければなりません。
私は教育業界で30年以上指導していますが、この問題に引っ掛かって点数を落とした生徒をたくさん見てきました。
だからテスト前には必ずこの手の類題を解かせるようにしています。
特に、1問前に$$25x^2-49y^2$$みたいな問題を入れておくとかなりの割合で引っ掛かります。
なぜかというと、和と差の積の公式を使った直後なので、$$4x^2-36y^2$$を見たときに$$(2x)^2と(6y)^2$$が見えてしまうからなんです。
なので、因数分解の問題を解くときには必ず「共通因数」があるかどうかの確認をしてください。
*ベテランの教師は問題の配列で平均点を操作しています。
1を意識していない
次はこの問題です。
$$x^2-13x+12$$
似たような問題で、$$x^2-8x+12$$ とか
$$x^2-7x+12$$ とかあります。
この2題は正答率高いです。
でも、$$x^2-13x+12$$は低くなります。
それはなぜかと言うと、
因数分解で乗法公式を使うとき、まず1番右にある数字に注目しますよね?
$$x^2-13x+12$$なら、掛けて12になる数字の組み合わせを考えますね。
そのときに、$$2 times 6$$や$$3 times 4$$はすぐに思いつきます。
ところが、$$12 times 1$$は気づきにくいんですよね。
特に右の数字がマイナスの数の場合
$$x^2+35x-36$$とか。
これは1を意識することで解決します。
また、少し難易度が上がりますが、
$$a(x-3)-(x-3)$$
この手の問題も質問が多く、テストでも間違いが多い問題です。
答えは、$$(x-3)(a-1)$$です。
左の項と右の項の共通因数は(x-3)ですね。
これでくくるのですが、右の項に(x-3)以外の文字や数字がないので「???」ってなってしまい悩んでしまうんですね。
$$a(x-3)-(x-3)$$を丁寧に書くと、
$$atimes(x-3)-1 times(x-3)$$
になるので、これなら答えが$$(x-3)(a-1)$$なるのが納得いくのではないでしょうか。
同様に$$x^2y-x$$も同じです。
これは、$$x(xy-1)$$が正解です。
なので、1を意識することで、この手の問題のミスはかなりの確率で防げるようになります。
あとは経験値です。「共通因数」「 1」を意識しながらたくさん問題を解きましょう!
平方数を意識していますか?
平方数とは、同じ数を2回掛け算した数のことです。
具体的には、1,4,9,16,25,49,64,81,100,121,144,169,196,225……、
上は1から15までの平方数です。平方根の問題を解くときにも役に立つので今のうちに覚えておくと数学の点数が上がりますよ♫
では、どのように意識するかというと、
$$x^2+12x+36,quad x^2+15x+36$$
のように、1番右の数字が平方数の場合の問題です。
これは乗法公式のⅡとⅢの公式
$$x^2+2ax+a^2$$や$$x^2-2ax+a^2$$
かどうかを見抜く力を養います。
例えば、上の例題の場合、1番右の数字は36なので6の平方数になりますよね。
$$36=6^2$$
ってことです。
このとき、真ん中のxの係数が6の2倍になっていれば、乗法公式ⅡかⅢにあてはまります。xの係数の符号が+ならⅡ、-ならⅢになるわけです。
$$x^2+12x+36,quad x^2+15x+36$$
の場合、左の問題は12は6の2倍で符号が+なので乗法公式のⅡになります。よって、
$$(x+6)^2$$
左の問題は、$$(x+3)(x+12)$$
ということは、平方数を意識することで、乗法公式を見抜く力が高まると言うわけです。
ぜひこれを機会に1から15までの平方数は覚えておきましょう。
補足:展開でやりがちなミス
おまけで、展開の問題でやりがちなミスも紹介しておきますので、チェックしておいてくださいね。
文字がaなのに真ん中文字がxに…
これは習い始めた頃に起こりやすいミスです。
$$(a+3)(a-5)=a^2-2x-15$$
どこが間違いか気づきましたか?
そうです、真ん中の項の文字がxになっちゃってますよね。
特に初めの頃は文字がxの展開が多いので印象に残ってしまって起こるんです。
$$(a+3)(a-5)$$みたいに文字が、$$x$$ではなくて$$a,quad m$$など、他の文字の場合に起こりがちなミスです。
これを読んでる人の中にも「やったことある」と思った人もいるのではないでしょうか?
真ん中のyやbが消えてる
これは、$$(x+5y)(x-3y),quad (a-4b)(a+2b)$$みたいに多項式の右の項が数字だけではなく、文字も含む場合です。
これが$$x^2+3x-15y^2,quad a^2-2a-8b^2$$のようなミスです。
正解は$$x^2+3xy-15y^2,quad a^2-2ab-8b^2$$
これもよくあるミスです。
このミスを減らすには、ミスした問題の分析を「ケアレスミス」と大雑把にするのではなくて、「右にyとかbがあったときに、真ん中の項に書き忘れたから要注意!」と細かく分析して頭の中に「要注意!」と意識して残しておきましょう。そうすれば脳は次の時には意識するのでミスは減ります。
文字の2乗が消滅
まずは、上の問題の1番右の文字の2乗を書き忘れるケースです。
$$x^2+3xy-15y,quad a^2-2ab-8b$$
みたいなミスのことです。
これもあるあるです。正解は、x^2+3xy-15y^2,quad a^2-2ab-8b^2$$ですよね。
また、$$(xy+3)(xy-5)$$みたいに1つの項に文字が2つある場合
$$xy^2-2xy-15$$みたいなミスもあるあるです。
正解は、$$x^2y^2-2xy-15$$
どこが間違いなのか気がつきましたか?
中には気がつかないで丸をつけている生徒もいます。(結構多いんだよ、これが!)
1番左の項に注目してください。初めの文字を2乗するのを忘れてしまうケースです。
まとめ:ミスを減らして成績をアップさせるには?
では、このようなミスを減らすにはどうしたら良いのでしょうか?
それは、計算ミスをただの「ケアレスミス」だから大丈夫で終わらせないことです。
「ケアレスミス」だから大丈夫と思ってしまうと、テストで同じミスをしてしまう可能性が高まります。
なので、ミスの分析を「ケアレスミス」で終わらせないで、もう少し細かく分析して次に活かせるようにするとミスが減ります。
よって、得点がアップして成績が上がりますよ!
頑張って!